バーチャル変質者 風呂えもん
「バーチャルアイドル?なんじゃあそりゃ!?現実を見ろ引きこもりども!!」
風呂えもんは荒々しくディスプレイに向かって吠えていた。
「明日花キララちゃんかわいいよ。。。ハアハア。。。」
そして返す刀(肉棒)で某AV女優の作品をウォッチしていた。
これは数年前の私、いやもっと昔だろう。断罪してくれ。
まだオタク文化に理解のなかった時の私だ。
一方、現在の私だが、
「ミライアカリちゃんかわいいよう。。。ハアハア。。。」
風呂えもんはそう言うと、穿いていたケミカルウォッシュを脱ぎ捨てて生まれたままの姿になった。
おう、これもんよ。断罪してくれ。
この変わり様は一体。
進化と言うべきか退化と言うべきか。
バーチャルアイドル自体はCG技術の進歩によって生まれたもので、数年かけてそれに順応した風呂えもん。
そこだけ切り取れば、この変化は進化と言っても過言ではない。
ただ、前者と後者どちらの姿を知り合いに見せたいかと言えば、もちろん前者である。むしろ見てください。興奮します。
後者を見られたくないように、大人になった今、ネット以外で「二次元が好き!!」と胸をはって言えなくなってしまった。
ブログやツイッターで低俗なことばかり言っている風呂えもんも現実では一般人を装っている。
二次元好きなんてもっての外だ。
友達に好きな女性のタイプを聞かれた時は特に困る。テレビをほとんど見ないし。
だからそういう時は
「橋本環奈ちゃんペロペロ」
と答えることで何とか事なきを得ている。
しかし、風呂えもんは本当は
「初音ミクちゃんペロペロ」
と言いたい!!でも言えない!!
というかツイッター界隈に溢れている二次元に理解のある人たちは、一体日本のどこに存在しているのであろうか。
私の周辺にはあまりオタクがいない気がする。
そうとすら思えてくる。
ところで風呂えもんとバーチャルアイドルの出会いはいつくらいだっただろうか。
当時、ニコニコ動画界隈で「ゆっくり実況」なるものが流行し、例に漏れず風呂えもんもそれにご執心だった。
今でもたくさんあるので、気になる人は自分で調べて見てみなさい。クセになるので。
その時私は「ゆっくり実況」にハマり過ぎて、毎日「ゆっくり」の声を聞かないと動悸、息切れ、目眩、手足の痺れがし、最悪の場合死に至る病にかかっていた。
その日も、
「ユックリ。カワイイヨユックリ」
とブツブツ言いながら、インターネッツでおもしろいゆっくり実況を探していた。
私は最初は初音ミクの声を毛嫌いしていた。
とにかくゲーム実況動画に合わないと思っていた。
「なんかクオリティの低い音声ソフトがでてきたなあ。邪魔だなあ。フリーソフトのゆっくりの方がよっぽどええやんけ!!」
と思っていた。
しかしそんな時に「ロミオとシンデレラ」と言う曲に出会った。私は射精した。
純粋にカッコいいと思った。
無機質だった機械音声に感情があるように感じた。
初音ミクの声は実況用音声ではない。立派な楽器だったのだ。
今でもボーカロイドの楽曲を聞き続けている。
表現のツールが増えるのは素晴らしいことだと思う。
ボーカロイドが出てきた時、個人で作曲している人たちの表現の場が広がった。
名前も知らない人が「作曲しました」と言う動画をあげても私は見ない。
それが初音ミクが歌っているというだけで見るのだからこれを使わない手はない。
バーチャルYoutuber同じだ。Youtuberになりたい人の表現の場が広がったはずだ。
さらにカスタムキャストというアプリでさらにバーチャルYoutuberになるための敷居も下がったのではないか。
じゃあ、結局風呂えもんが何が言いたいのか。
(^p^)「みんなでエッチなモデルをたくさん作ってください 」