真面目系クズの自由帳

風呂えもんが日々考える事柄を書き綴るよ。ツイッターやってるよ。おしゃべりしようず。

君の笑顔を探す旅路

こん^^風呂えもんだよ。
 
 
私がお笑い芸人の養成所に通っていた話は以前にしたと思う。
その養成所と言うものはクラスで分けられていて、何組かのコンビ、あるいはピン芸人がまとまって授業を受けていた。
そうなれば人によって好き嫌いは出てくるわけで、私もあまり好きでない人達がいた。

 

なぜ、私が彼らの事をあまり好きではないかと言うと、彼らはとにかく「笑わない」のだ。
笑わないと言うと、少し語弊があるかもしれない。
普段、くだらない世間話(主にバルトリン腺液の話)をしている時には普通に笑うのだ。
 
私の通う養成所には例によって「ネタ見せ」という講師の先生やクラスのみんなに自分の作ったネタを見せる時間があった。問題はこの時間である。
彼はこの「ネタ見せ」の時、誰がどんなネタを見せても決して笑わないのだ。
 
彼らは笑わないことで何を伝えたかったのかは今となってはわからない。
まあ、大体わかるけど。ちんけなプライドでしょ。
でももしも、万が一何か違う事情があるのであれば!!私はとても優しいから、彼らのことをなるべく理解してあげたい!!
 
そこで私は彼らが世間話(主にバルトリン腺液の話)では笑うのに、ネタ見せで笑わない理由を考えられるだけ書きだしてリスト化した。
 
1:バルトリン腺液の話以外で笑うことができない宗教に入っている 。
2:テロリストに妹が人質に取られていて、バルトリン腺液の話以外で笑うと監禁された妹が爆散する。
3:重病の子供とバルトリン腺液の話以外では笑わないと約束をしている。
4:元々、寡黙な人間でネタ見せだろうがなんだろうが絶対に笑わない。だがバルトリン腺液ネタが大好きで、これだけは我慢できずに笑ってしまう。
5:昔、バルトリン腺液が原因で親友が溺死していて、笑ってはいるように見えるが心では泣いている。
 
以上が私の考えた最強のネタ見せで笑わない理由リストだ。
そして私は、この中から本当の理由を探すために検証を始めた。
 
まず、初めに私は彼らと今一度対話の時間を設けることにしてみた。
授業が始まる前の空き時間がある。そこで彼らに話しかけてみる。
 
「おいすー^^バルトリン、元気ー??」
「こらこら。ワイはバルトリンとちゃうで(笑)」
 
ん?今の会話、何かがおかしかった…。
私はこの時、彼に不自然な点があったのを見落とさなかった。
「名前をバルトリンと間違えるというクソ程おもしろくないボケ」で笑うか?
これで笑うのはさすがに異常だ。
 
この時点で風呂えもんのネタ見せで笑わない理由チェックリストの1と2と3が排除されたのがわかると思う。彼らは明らかにバルトリンで笑うことを強制されているのだ。
 
え?バルトリンと聞いたら絶対に笑わなきゃいけない宗教に入ってるんじゃないかって??
そんな宗教ねえよ。バカか君は。
 
え?バルトリンで笑わなかった場合に、テロリストに監禁された妹が爆散するんじゃないかって??
何じゃそのテロリストは。エロテロリスト乙。
 
え?重病の子供とバルトリンの話で必ず笑うことを約束してるんじゃないかって??
重病の子供なんていなかったんだ…。本当によかった…。
 
したがってこれによって4と5の可能性が高まった。
 
4は、明らかにつまらないバルトリンネタでも、細胞レベルで「バルトリン=おもしろい」という方程式が刻まれていて、バルトリンというワードを聞いた瞬間に条件反射的に笑ってしまう可能性。
 
5も少し似ているが、「バルトリン=親友の死」という方程式があり、おもしろい、つまらないは関係なく心では泣いてしまう。それを隠すために笑っている可能性。
この2つに絞られた。
 
そして、僕はここで一つ大博打に出た。
クラスのネタ見せで「バルトリンをネタにした漫才」をしてみたのだ。
 
彼らはネタ見せで決して笑わない。しかし、バルトリンでは笑ってしまう。
私は、決して笑わないネタ見せにバルトリンを放り込むことで彼らの中で起きる化学反応を見てみたくなったのだ。
 
結果、彼らは笑わなかった。
講師の先生も笑わなかった。
誰も笑わなかった。
いや、もしかしたら私だけは笑っていたかもしれない。
それがネタ見せにバルトリンを放り込んだ化学反応の結果だった。
 
そして私は学んだのだ。
ドギツすぎる下ネタはダメ、絶対。